21世紀の資本主義

21世紀の資本主義

 「21世紀の資本」という本をご存知でしょうか?700ページを超える専門書にもかかわらず、世界で150万部を超えるベストセラーになりました。この本の著者であるフランスの経済学者、トマ・ピケティ教授は15年間かけて富の格差を研究し続けてきました。

その特徴は、世界20か国以上の所得税や相続税などのデータを200年以上前までさかのぼって調べ、富の蓄積を明らかにしようとするものでした。

その集大成が「21世紀の資本」です。

著者 : トマ・ピケティ

¥ 5,940 /みすず書房

この本では、資本の力に注目しており、富を生み出す力は、働いて得られる所得よりも株や不動産などの資本のほうが大きいことを示し、それが格差拡大につながっていると主張しています。

・労働者の賃金よりも株や不動産、預金などの資本が格差社会の焦点に

調査によると、世界中の労働者や企業が1年間に生み出した富に対して、資本の量はその4倍以上蓄えられていたことが分かったのです。

つまり、世の中の富が2分され、富める者がますます富むのは、資産の築き方を知っているか、知らずに所得を積み上げていくかの違いがあるということです。

21世紀の資本

ではこの資本を一体誰が手にしているのでしょうか。

・行き過ぎた格差

アメリカの場合、トップ10%の層が全体の70%の資本を保有しています。それに続く40%の中間層が25%。残り僅か5%を50%の人たちが持っていることが明らかになりました。

一握りの人が資本を独占的に保有していることが、現代の格差を生み出しているとしています。

21世紀の資本

ピケティ教授が、このままでは格差はより深刻化すると警告する資本主義の未来。資本を持つ人とそうでない人との格差をこれ以上広げないために、ある対策を提唱しています。

・資本に対する課税

それが、資本に対する課税です。

しかし政府が課税しようとしても、資本の所有者は税金の安いほかの国に移動させ、逃れる可能性もあります。そこで、こうしたグローバルに移動する資本に対して、各国が共同して課税できる仕組みを作るべきだとしています。

この意見に対し経済学者やメディアの中から、経済成長を妨げるうえ、実現不可能だとして反発の声が上がっています。しかし今、世界では資本に対して課税を行う仕組みが検討され始めています。

オバマ大統領のコメント


「富裕層の税金逃れをやめさせよう。
トップ1%が税金を払わないことが格差につながっている。
富裕層から税金をとれば、子育てや教育にあてることができる。」

ピケティ教授は世界各国を精力的に訪れ、広がる格差についての議論を深めようとしています。インタビューの中でもピケティ教授はこの様に答えています。

私が予測した資本主義の未来について、誰かが異議を唱えても全くかまいません。

本を書いた一番の目的は、読者が所得、富、資本などといった問題を考えられるようになってほしいからです。