全然違う?!ファストファッション業界の各社戦略

全然違う?!ファストファッション業界の各社戦略

最近日本にも続々と海外のファストファッションブランドがオープンし、何かと話題のこの業界。

そもそもファストファッション(fast fashion)とは、最新の流行を採り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその業態のことで、「早くて安い」ファストフードになぞらえて、2000年代半ば頃から呼ばれるようになりました。

皆さんも一度はこれらのどこかで買った経験をお持ちではないでしょうか?

ただこの4社それぞれ全く違う手法で売上を拡大していきました。

今やこの業界に参入する会社は何百社とありますが、そんな4社の戦略を少しづつみていきましょう。

こちらは2013年度の決算です。

※円建て比較にあたり、為替レートは、すべて2014年1月31日時点のレート、1€=¥139.4、スウェーデンSEK=¥15.8、US1$=¥102.8、UK1£=¥169.7にて換算しています。

1位- Inditex(ZARA) 2兆3,313億円

2位-H&M 2兆0,312億円

3位-Gap 1兆6,600億円

4位-Fast Retailing(ユニクロ) 1兆1,430億円

2013年度の世界の売上Top4社はZARA(スペイン)、H&M(スウェーデン)、GAP(アメリカ)、そしてユニクロ(日本)です。

ZARA

(※決算上ではInditex社となっておりますが、ZARAはInditex社の全体の売上の約7割を占めているので今回はZARAを比較対象とします。)

皆さんはこのブランドにどんなイメージをお持ちでしょうか。何となく他の3社と比べて高級感があったり、綺麗なイメージがありませんか?

しかし、なんとこの会社ほとんど広告を打たないことで有名です。
(宣伝広告費は売上の約0.3%)確かにCMや雑誌などは見たことがありません。

ではなぜ広告も打たないのに、このようなポジティブなイメージを消費者に抱かせることが出来るのでしょうか。

その答えが出店する場所にあります。

実はZARAはブランド街、ブランド店の隣を中心とした一等地にしか出店をしません。そのため日本には60店舗ほどしかありません。

しかしこのような戦略を取ることで、自然と高級感のあるイメージを消費者が持つことが出来るのです。

H&M

続いてH&Mです。こちらの特長は他と比べて高収益企業であることが挙げられます。

通常店舗を構え、在庫を抱える経営は営業利益率が低くなりやすいですが、H&Mは何と20%程度もあります。楽天がおよそ10%であることを考えるととても高い数字だと言えますね。

なぜこんなに営業利益率が高いかという理由は流通経路にあります。H&Mは製造原価や工賃を低く抑えるために世界中の約800もの拠点で製造しています。また、製造拠点は主にバングラデシュなどのアジアと南アメリカが中心になっています。

加えて、製品を輸送する海運会社が世界各国に拠点を持っていることと、世界35カ国以上に展開しているH&Mが組み合わさることにより、輸送コストを通常の1/3程度に抑えることに成功しました。

GAP

アジア展開を急速に進めるGAP。

アジアではまだファストファッションにおいては未成熟なので、2050年には世界の消費の半分を占めると言われているアジア展開において競争がより一層激化することが見込まれます。

ちなみにファストファッション業界においても世界の各エリアで得意とするブランドと苦手とするブランドがあり、GAPはヨーロッパへの出店は既にH&MやInditex(ZARA)がすでに浸透しているためそれほど力を入れていません。逆に得意とする地域は当然アメリカです。GAP全体の売上の内70%近くをアメリカで占めています。

しかしながら、ここ最近採算の合わない店は閉店するなど、低調な動きをしています。今後の出店戦略にも注目ですね。

ユニクロ

企画・デザイン・素材調達・生産工場の品質管理・販売までの全プロセスを一貫して行うSPA(アパレル製造小売業)のビジネスモデルの実現で、高品質な商品開発を可能にしたユニクロ。

ユニクロは柳井さんが2020年までに売上を5兆円にする事業戦略を掲げており、日本では目標とする1兆円を達成。残りの4兆円は海外で作ると公言しています。

2014年8月期の海外ユニクロ事業の売上高は4,000億円、ユニクロ事業全体の30%を超えてきました。アジア地区での順調な出店が成長をけん引している一方、次の成長の舞台として、米国での拡大に注力しています。

アジア地区では、グレーターチャイナ(中国・香港・台湾)で年間約100店舗を出店するなど急成長しています。また、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、オーストラリアといった東南アジア・オセアニアへも出店エリアを拡大してきました。

いよいよ柳井さんが掲げた海外戦略の土台が整ってまいりました。こちらも今後の動きに注目です。