世界各国が注目する「水素」エネルギー

 世界各国が注目する「水素」エネルギー

地球温暖化の中で、持続可能なエネルギー資源の開発と供給が喫緊の課題となっている中で、トヨタ自動車が、2014年12月に世界で初めて水素で動く燃料電池車を一般販売しました。

トヨタの燃料自動車は水素と空気中から取り込んだ酸素、この2つが化学反応し、発生する電気で走ります。排出されるのは水だけ。二酸化炭素を出しません。

そんな、温暖化対策の切り札として今、世界各国が注目する「水素」についてご紹介します。

・「水素」の活用が進むドイツ

日本も、2014年6月に「水素社会の実現」を目指したロードマップを発表しました。

これから2040年頃までにかけて、車だけでなく、家庭用の暖房や公共交通など、さまざまな場面に水素エネルギーを行き渡らせる計画です。

そして今その水素社会の先端にいるのが、ドイツです。ドイツでは既存のインフラを利用して、市民が水素を使い始めています。

水素

・自動車、インフラに水素を

自動車大国であるドイツでは天然ガスで走る車が10万台あると言われています。その燃料に水素が活用され始めており、アウディのプラントでは、水素を加工して、天然ガス車の燃料に使えるガスを作っています。

従来の天然ガスよりも二酸化炭素の排出が抑えられるため、この自動車メーカーは、環境にやさしい燃料として普及に力を入れております。

またドイツの地下には、全土にわたって網の目状に都市ガス網が張り巡らされています。ここに水素を流し込むことで、ガスの使用量が減り、将来は二酸化炭素を減らすことにもつながると見ています。

・ドイツの戦略

なぜドイツは水素の利用を広げようとしているのでしょうか。

それは風力などの再生可能エネルギーの弱点を水素によって補うという国家戦略があるからです。

風力による発電は、自然任せのため、発電量を調節することが出来ませんし、電気は貯めておくことが出来ません。そこで解決方法として注目したのが、水素です。

エネルギーの多くを輸入に頼るドイツは、1980年代から国を挙げて再生可能エネルギーの普及に力を入れてきており、今や国内で使う電気の1/4を再生可能エネルギーで賄っています。

ドイツ政府は、水素の専門機関を設立しました。この機関は、水素が将来、国のエネルギー戦略を変える可能性があると考えています。

実用化には様々な課題も山積しておりますが、水素の導入というのは、もともと二酸化炭素の排出、地球温暖化対策ということですので、ぜひ技術進歩に期待したいです。