ビジネスモデル全史

ビジネスモデル全史

今回は、こちらの本を参考にいくつかのビジネスモデルををご紹介します。

世の中には無数の会社があり、様々なビジネスをしている会社が存在しますが、どんなビジネスモデルが安定的に利益を上げることが出来、景気や世の中の動向に左右されにくいのでしょうか?

著者 : 三谷宏治

¥ 3,024 /ディスカバー

ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶベスト経営書 2014 第 1 位受賞!

14世紀イタリア・メディチ家、17世紀日本・三井越後屋にはじまり、2010年代のスタートアップまで、約70余りのビジネスモデルを、その背景とともに紹介。

ビジネス史の先駆者たちの栄枯盛衰をストーリーで追いかけていきます。この本に登場するのは100社超の企業と100名超の起業家・ビジネスリーダーたち。彼らが「新たなビジネスモデルをどう生み出したのか?」「なぜ競争優位を築けたのか?」を60点を超す豊富な図版とともに学びます。

そして、現代経営が直面する2つの問い「イノベーションとはどう起こすのか?」「持続的競争優位をどう保つのか?」について、「ビジネスモデル」がどんな回答を出してきたのか、そして、われわれ自身がそれをどう実現していくのかについて考えていきます。

・ジレットが生み出した「替え刃モデル」

ご存知の通り、ジレット (Gillette) は、剃刀製品のブランドです。元々はアメリカ合衆国の独立企業でしたが、2005年以降はプロクター・アンド・ギャンブル (P&G) が販売しています。

創業者のキング・ジレット氏は16歳のときに父がシカゴ大火で全財産を失ったため、一家の生計を支えざるを得なくなってしまいました。

当初はセールスマンをしていましたが、当時の雇い主の「使い捨て製品を発売すれば客が安定する」との言葉をヒントに、薄い鋼の刃を使った使い捨て剃刀の発明を思いつき、35歳のときに創業しました。

製造・販売を開始した1903年の売上は剃刀が51個、替刃が168枚に過ぎませんでした。そこで本体を飲料などのオマケとして本体を無料配布したところ、翌1904年には9万個の剃刀と12万枚の替刃を売り上げ、次第に軌道に乗り始め、1918年には米国政府から第従軍兵士のための350万個の剃刀と3600万枚の替刃を受注し、ジレット社は世界最大の剃刀メーカーへと成長していきました。

「本体は無料で配布し、替刃で利益を上げる。」

一見地味に見えますが、男性は死ぬまで髭を剃り続けますから、莫大な利益を上げ続けることが出来ます。まさに、損をして得を取ったジレット氏です。

・携帯電話・スマートフォンと通話・データ通信料

・インスタントカメラと専用フィルム(コダック)

・電動歯ブラシと替えヘッド(ブラウン)

・家庭用ゲーム機とゲームソフト(任天堂)

・コーヒーマシーンとコーヒーポッド(ネスレ)

Nespresso

などなど、この「替え刃モデル」と呼ばれるビジネスモデルは様々な業界でも成功していきました。

そして「替え刃モデル」のみならず、Apple社のように「商品自体は高いが、アフターサービスは無料に」といった「逆替え刃モデル」というビジネスモデルも生まれていきました。

その後も技術開発と特許出願を続け、替え刃モデルの成功例であり続けています。今やジレットは、替え刃モデルの成功例ではなく、知財モデルの成功例としても、語られるべき存在なのです。

・世の中のスタンダードを創ったマイクロソフト

ジレットの創業が1903年ですから、マイクロソフトはその70年以上後の1975年にビル・ゲイツ氏によって創られました。

マイクロソフトのビジネスモデルはなんと言ってもOSです。マイクロソフトはOSをハードに無料で搭載させることによって、シェアととり、その後のOS上で動くソフトで収益を上げていきました。

パワーポイントやエクセルを始めとしたMicrosoft Officeを使ったことがない人はほぼいないのではないでしょうか?

マイクロソフトは、自社製品を世の中のスタンダードにすることに対して全ての戦略を最適化し、マイクロソフトのWindowsやOSを世の中のスタンダードにしたのは誰もに対してオープンであったことが大きいでしょう。

そんな、今でも巨大な利益を上げ続けるマイクロソフトですが、ただ1つ問題がありました。

それを考える上で、大事になるのが「限界効用」と「限界費用」です。

「限界効用」とは、財・サービスを1単位追加して消費することによる効用の増加分のこと。

「限界費用」とは、財・サービスを生産するとき、ある生産量からさらに一単位多く生産するのに伴う追加的な費用。

これはビールに例えるとわかりやすく、1杯目のビールは最高においしいですが、2杯3杯と繰り返していくと、ビールの味に飽きてきたりして、ビールの最初に感じたうまさやありがたみは、次第に薄れてしまいます。

ここでいう限界効用がビールのおいしさで、限界費用がビール1杯の値段を指します。

そして限界効用が逓減し、限界費用を下回るとビールを飲むのをやめるという訳です。

限界効用

マイクロソフトの製品(WindowsやOS)は基本的に一人1つあれば十分ですので、OSなどの限界費用は高くありませんが、それと同時に限界効用も逓減してしまうという問題がありました。

・既存のビジネスを破壊するグーグル

1998年に、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって創業されたグーグルはこのマイクロソフトの限界費用と限界効用に関する問題点を見事に解消していきました。

なぜならマイクロソフトの製品がソフトウェアなのに対して、グーグルの製品は検索を元にする広告だったからです。

検索ニーズは1度検索したからと言って低下する訳ではないため、限界効用が限りなく下がりづらいと同時に、限界費用は主にサーバー代程度のため、限りなくゼロに近いモデルを作り上げました。(これはグーグルの決算資料を見ていただければいかに粗利率が高い企業であるかわかるかと思います。)

これによりグーグルは莫大な利益を上げていくことが出来ました。さて、そんな最強のビジネスモデルに見えるグーグルですが、実はグーグルよりも更に万人にとって限界効用が高いモデルが、今から100年以上前に作られておりました。それがFRBです。

1913年12月23日に設立されたFRBは日本の日本銀行に相当し、紙幣の発行などを行く役割を担います。紙幣の発行にはほとんど印刷代のみなので限りなく限界費用はゼロに近く、限界効用は無限大となります。

そんなFRBが設立された歴史などはここでは省略しますが、個人的には最強のビジネスモデルだと思います。笑