アメリカの3倍以上ある日本の「世代間格差」

アメリカの3倍以上ある日本の「世代間格差」

世代間格差という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

これは国に払う年金や、医療費などの「社会保障費」と自分が受け取る利益が、世代によって大きく格差があるということですが、日経新聞の調べによると、65歳以上のお年寄り世代は20歳未満の世代に比べ、1億2000万円以上も得だということがわかりました。

アメリカの経済学者が世界17ヵ国を対象に調べたところ、社会保障費の世代間格差が最も大きかったのは日本で、不均衡率(世代間のアンバランスさの割合)は169.3%で、アメリカ(51.1%)の3倍以上にも及んでいるといいます。

一体どうしてここまで、世代によって格差が生まれるのでしょうか?その最大の犯人は、まさに人口構造の変化です。

世代間格差

2050年には「肩車社会」が到来

社会保障というのは、高齢者を現役世代が支える仕組みで成り立っています。当然若者の数が多ければ、現役世代の負担は減りますから、制度としてうまくいきます。例えば1948年には、12.5人の現役世代が1人のお年寄りを支える「お神輿型」の社会でした。ところが2010年には、2.8人で1人のお年寄りを支える「騎馬戦型」社会に。さらに2050年頃にはなんと1.8人で1人を支える「肩車社会」が到来すると言われています。

これでは負担が重すぎて、非正規などの割合が上がっている昨今では若者が支えきれませんし、若者が病気になったり、失業したりすれば、背負っているお年寄りもろとも倒れてしまうことは想像に難くありません。

その場しのぎの社会保障と税の一体改革法案

そこで成立したのが「社会保障と税の一体改革法案」です。これにより、消費税が5%から2014年4月に8%、2017年10月には10%に引き上げられることになりました。世代に関係なく徴収される消費税を集めることで、世代間の格差を軽減し、社会保障の元手を確保するのが狙いです。

それでも全く税収は足らず、厚生年金保険料は毎年引き上げられており、2017年9月から月収の18.3%に固定されることになっています。年金や社会保障を健全に安全に支給される仕組みに変えるためには高齢者が受け取る年金を引き下げるか、受給開始年齢を引き上げるか、消費税や社会保障費を更に上げるかしかありません。どの施策を選んだとしても明るいとはいえません。

笑えない厚労省が公開している年金についてのWEBマンガ

厚生労働省は2014年5月14日、公的年金制度の仕組みや見通しなどをわかりやすく解説するホームページ「いっしょに検証!公的年金」をオープンしました。

ここで紹介されている、給付額の世代間格差について描いた場面では、働く20代女性の「年金額が今の人よりすっごく減るって聞いたわ」という悩みに、

登場人物である年金子は、現在給付を受けている世代が教育や医療が不十分な時代を耐えて日本を発展させたと熱弁を振るい、

「そのおかげで今の若い世代が豊かに暮らしていることを考えると、受け取る年金に差があったとしてもそれだけで若者が損とは言えないと思いませんか?」

と訴えかける様子が漫画で書かれています。そしてこの言葉に作中の人物は

「確かにあたしたち好きな大学に行かせてもらえるしなあ」

とすっかり納得してしまいます。

これを厚生労働省が出しているのかと思うと、残念でなりませんが、これが実情です。何もしないのが一番のリスクとはよく言いますが、これから数十年生きる現役世代は真剣に世の中の現状を捉え、自分で未来を切り開いていくための正しい情報を手に入れ、行動していくが必要がありそうです。